菊田大使寄稿:「新型コロナウイルス感染症に国際社会とともに立ち向かうー日本がCOVAXワクチン・サミットを共催ー」

2021/6/14
6月14日付ニュー・スポットライト誌ほか3紙への菊田大使寄稿
「新型コロナウイルス感染症に国際社会とともに立ち向かうー日本がCOVAXワクチン・サミットを共催ー」

6月14日、菊田大使による寄稿がニュー・スポットライト誌に掲載されました。
同寄稿は、同日にリパブリカ紙電子版、16日にライジング・ネパール紙とヒマラヤン・タイムズ紙の電子版及び紙面にも掲載されました。


6月14日付ニュー・スポットライト誌電子版(英語)の日本語訳は以下のとおりです(英語版はこちらをご覧ください)。

2021年6月2日、日本はGaviとCOVAXワクチン・サミット(AMC増資首脳会合)を共催し、開発途上国にワクチンを提供するための資金調達を行った。この機会に、この恐ろしい感染症との闘いにおいて、日本の世界とネパールへの支援について読者の方々に日本の取り組みを網羅的にご紹介したい。日本は新型コロナウイルス感染症に関し、国際場裏、二国間関係、ワクチン、コールドチェーン、医療機器、保健セクターの支援(水、栄養等)の強化、能力構築に関する技術支援という多面的なアプローチを取ってきた。本寄稿は、新型コロナウイルス感染症流行の中、ネパールのみならず世界への日本の貢献の概要である。新型コロナウイルス感染症がいかなる困難を引き起こすとしても、私たちは共に取り組むことで克服できると信じている。
 
1. 支援を拡大し、すべての人が新型コロナウイルスワクチン接種を可能に
新型コロナウイルス感染症の大流行につき、日本政府はGaviと協力してCOVAXファシリティを構築する主導的な役割を果たし、ネパールのみなさんを含む全ての人が予防接種を受けられるようにしている。日本はCOVAXファシリティの新設に当たり、最初に資金供与を行った国である。2021年6月2日、日本はCOVAXワクチン・サミット(AMC増資首脳会合)を共催し、国際社会の連帯とコミットメントを求め、各国政府及び民間セクターから、多くの追加の資金拠出が表明されて資金調達目標(83億ドル)を大きく超える額を確保することができた。これによって、ネパールを含む対象国、COVAXファシリティAMC適格経済の人口の約30%に対して18億回分のワクチン投与が可能になる。菅総理は、日本からのCOVAXファシリティへの追加拠出を発表し、日本は総額10億米ドルの支援を行うこととなり、1カ国として米に次ぐ2番目に多くの拠出を行った国になった。
ワクチンは重要であるが、コールドチェーンも欠かすことができない。ワクチンを必要とする人々に安全に届ける必要があるため、日本は、ユニセフ経由でコールドチェーン支援を行い(4,100万米ドル)、すべての人が確実に予防接種を受けることができるよう「ラスト・ワンマイル・サポート」を行い、ネパールを含む東南・南西アジア、太平洋島嶼国25カ国のワクチン輸送のため医療機器を整備しており、2021年8月までにネパールで利用可能になることが期待される。コールドチェーンが有効活用され、ネパール全土の予防接種プロセスが急速に進むことを願う。
また、菅総理がCOVAXワクチン・サミットで述べたように、日本は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成に向けた取組として、栄養、水、衛生など、幅広い分野での健康安全保障のための支援も重視しており、本年12月には、 「東京栄養サミット」を開催し、世界の人々の栄養改善を推進する。日本は、保健分野における国際的な取り組みを引き続きリードしていく決意があり、多国間主義を強調し、世界のbuild back betterを先導していく。
 
2. ネパール全土の病院での医療機器の利用可能性の確保
二国間支援として、日本は無償資金協力を通じて(270万米ドル)、全国の病院に医療機器を提供している。これまでに血液ガス分析装置25台、ポータブル超音波画像診断システム25台が病院に引き渡された。
日本大使館は、2021年6月3日にネパールの保健・人口省に高濃度酸素発生器160台を引き渡し、新型コロナウイルス感染症患者の緊急治療のため全国58の病院に供与予定である。酸素発生器は、特に新型コロナウイルス感染症患者の緊急治療に非常に有用である。このハイテク機器は、酸素ボンベを必要とせずに高度に濃縮された酸素を「生成」することができる。日本大使館は現在、追加的な高濃度酸素発生器を供給すべく取り組んでいる。 さらに、10月には6台の救急車がネパールに到着する予定である。救急車の不足は、コロナ禍の深刻な問題であるが、医療機器を備えた日本製の救急車は、新型コロナウイルス感染症患者の緊急治療を行い得るモバイル・ホスピタルとして機能するであろう。
これに加えて、私は4月に非伝染性疾患(NCD)の治療と診察に使用するMRIなどの医療機器を8つの先進公立病院に提供するというE/Nに署名した(900万米ドル)。NCD疾患のある患者は、新型コロナウイルス感染症に感染した場合、重症になるリスクが高い。公立病院におけるNCDの診断および治療サービスの強化は、これまで以上に重要かつ緊急になっている。
 
3. 医療機器等の安全確保を支援
COVAXファシリティに加え、日本は様々な国連や国際機関UNHCR、IOM、ユニセフ、IFRCと協力し、新型コロナウイルス感染症に打ち勝つためネパールの医療機器や必需品を確保している(417万米ドル)。また、ネパールの食糧安全保障に関してはWFPを通じて支援し、第1州と第2州の脆弱な地区において母親と子どもの健康と栄養プログラムを実施している(347万米ドル)。
 
4. ネパール政府の専門家への研修と地域支援
日本としては、ネパールにおいて、国の全体的な公衆衛生状態を改善することも目標である。日本は、2003年から毎年技術協力プログラムの下でネパール政府の専門家を育成している。新型コロナウイルス感染症流行の下では公衆衛生全般の向上が重要であり、日本の支援を受けたメラムチ水供給プロジェクトの一環として、手洗用水タンクの設置や、メラムチ浄水計画の一部であるスンダリジャルの水処理プラント(WTP)のキャパシティ・ビルディングを支援している。また、地域支援として技術協力の一環として、マスク、消毒剤、手袋、保護服などの保護材やPCRテストキットを提供している。
 
こうした日本の努力が、新型コロナウイルス感染症により困難に直面しているネパールの人々や医療関係者に有益となることを願う。日本は常にネパールを支え、このパンデミックに共に立ち向かい、ネパールによる持続可能な社会経済発展の達成を支援していく。