前田大使の着任挨拶

令和7年1月13日
photo
 この度、1月9日に駐ネパール日本国大使として着任いたしました前田徹(まえだ とおる)です。日本の長年の友好国であり、雄大な山々に抱かれたこのネパールで仕事ができますことを、大変嬉しく思います。
 
 日本とネパールは1956年に外交関係を樹立しました。昨年5月には上川外務大臣によるネパール訪問が実現するなど、要人往来も継続的に行われています。

 しかし、両国間の人的交流は、遡ること1899年には河口慧海がネパールを訪問し、1902年にはネパール初の留学生8名が日本へ派遣されるなど、実は国家間の結びつきより長い歴史を有します。そして現在、20万人を超えるネパールの人々が日本に滞在しており、特に近年は、留学のみならず就労を目的とする方やそのご家族など、より幅広い層の方が日本を目指す傾向にあります。まさに、両国間の人的交流の在り方が変わる転換期にあり、日本とネパールがさらに良い関係を築く機会となればと思っています。
 
 経済開発面では、日本はインフラ、農業、教育など幅広い分野において、政府間から草の根に至るまで様々なレベルでの支援を長年継続しています。山国で毎年のように自然災害に見舞われる日本は、ネパールと多くの共通点を有します。支援を通じて日本の知見や技術をネパールの発展に役立て、日本国民の善意がネパールの人々に伝わるよう努めたいと思います。

 本年4月から始まる大阪・関西万博には、ネパールがパビリオンを出展します。日本の皆さまに、ネパールの魅力を知っていただくよい機会となることを期待します。
 
 明2026年には、日本とネパールは外交関係樹立70周年を迎えます。長年、当地において両国の草の根交流に携わってこられた日本人の方々に敬意を表すとともに、先人が紡いできた両国間の交流の歴史と絆を更に強固なものとすべく、微力を尽くす所存です。そのためにも、日本人、日本企業の方が、当国で安全に生活し活動できるよう最大限努力します。
 
 最後に、新年に当たり、本年が皆さまにとってよき年となることをお祈り申し上げると共に、皆さまからのご指導、お力添えをいただけますよう何卒お願い申し上げます。
 
 
2025年1月13日
駐ネパール特命全権大使
前田徹